知ったかぶり日記です。文体が落ち着かないのは仕様です






2007/01/06

デルドラクエストのOPに気になるカットがあります。
ラス前の撮影処理がこってるカットですね。(こんなことするのは吉成兄くらいのものでしょう。)
やっぱり、シルエットの作画って言うのはうまく使うとすごくかっこよくなると思うんです。
画面が暗かったり、対象の形状・質感が判然としなかったりするときに、
偶発的に作画がすごくよく見えるようなある意味錯覚をフルに利用した作画形態というか……。
面に占める影塗りわけや装飾のデザインの密度と、動きのよさの相関関係について調べたいのです。
どうも「ひとつの色がべったりと塗られた面積」に動きの快感が隠されている気がするのです。
人にどう見えるかを研究していくことが効率をあげることにも直結していると思うので、シルエット作画はわりと永遠のテーマですね。
OP演出的に使われるシルエットというより、光源の設定によって面の情報が極力少なくなっている状態を研究していきたいですね。劇場版エスカのように。
『描いてないけど描いてる様に見える』のが理想なわけです。
たぶん細かく影指定しまくるより実写に近づくはず。

しかし、最近過去の作画がすごいといわれているアニメをいっぱい見ているにもかかわらず
新番組のたった1カットで日記を書く気が起こってしまうあたり、
やっぱりリアルタイムで視聴する意義ってのはすごいものがあるなぁとおもってしまいます。
えもそのうち大平晋也さんと田中達之さんについて書きます。



2006/10/11

新房監督のネギま!のOPラス前の二人が飛び上がって髪が揺れまくってるカット
吉成曜さんの作画に見えます。(OP自体も格好いくて好きです)
その前の机が広がるカットも多分そうだろうと思います。メッチャクッチャカッコイイし巧い。
ああいう塵の描き方をする人はあんまりいないし、何より大胆に前後に詰めた中割が吉成さんっぽい。最近よくやりますよね
吉成さんといえば最近吉成鋼さんとの区別が付かないんですよね。
緑のマキバオーみてても、全然わからない。曜さんがやってるとしか思えないカットがある。
この二人、今まで全然違う作画をする人だと思ってたんですけどやっぱり似てるんですね。
マブラブのロケット発射作画なんてこれが鋼さんだとするとイメージから絵から完全に同じ。
真似したとかしないとかいう次元を越えた同じっぷりなのでもう訳わかんなくなってきました。



2006/10/10

新番を殆どチェックできてない作画オタ失格ぶりです。
最近ヘビーローテなのはナルトの新しいOP。シルエットの奴ですね。
詳細な担当パート順をぜひ聞きたいところです。
やっぱり最後の方のトリッキーなアクションを何度も何度も見てしまいます。
敵の腕に足を振り下ろして、その反動で浮き上がるような想像力溢れる動作に、
単なる一つの動作だけでは語れない素晴らしいリズム感があります。
僕もシルエットで格闘ちょっと前に描いたんですけど、単なるパクリにしかならなかったんで落ち込みました。
スタッフにも気になる方がちらほら居られましたが、
最初のナルトの一人での訓練(足出したり腕振り回したり)はナルトの頭身の低さがちゃんと作画できているのと、
中割のタイミングがちょっと松本さんっぽい。
シルエットだけなのに突っ張った胸郭の形が意識できるのもすごいと思います。
上の格闘も手のブレとか松本さんっぽいですが、どうなんでしょう。ちょっと多いかな。

もう一つはやっとみれた新破裏拳ポリマーのOP。 こちらもトリッキーで抜群なリズム感の安藤真裕作画なので、やっぱりこういう方向やりたいよな、とか思ってます。
最後の方の横アングルでの殺陣のどう見ても尺あわせのための不自然なため(首折る際)とか、
その後の振り向いて叫びとか、もう最高ですw
だから僕はどちらかというと演出家としてもこの人に惚れているのかもしれないとも思いました。
動き的には槍をぱきぱきやるところが魅力が存分に生かされてて思わずコマ送り。
この格好良すぎるタイミング、絶対思い付かない……
アクション描きたくなってきたなぁ

新番組ではあやかしあやし、くらいですかね。 OPの最初の方の背景動画が格子状で捉える地面だったので中村さん来たか!?と思ったんですけど 中村さんにしては詰めが甘いかと思ってたらやっぱりいませんでした。
安藤さんか中村さんが来たら発狂するかもしれないです。
化け物のデザインとか好きなんで是非エフェクトでぐっちゃぐっちゃな中村作画を見たいです。

あー、あとデスノートのエンディングだ。流れる雲がいいですね。
エウレカで中村さんが水面を似たように処理してましたよね。模様がパース線に乗って動くコンベアーみたいな作画。
雲自体の動きまで演算するのが大変なのでこういう省力作画が生まれたんでしょうね。
アニメーターの感性が生かされてる感じがします。


2006/08/30

ガンダム0080 ポケットの中の戦争 を初めて全話視聴しました。
これの磯さんの仕事はすごく有名ですけど今回は、稲野義信さんの作画について。
ぼかぁ稲野さんの仕事は殆ど知らないと言っていいんですけど、今まで得た知識と照らし合わせて担当パートを予想しました。
二話冒頭から、この情報量の多いポーズと信じられない絵の並べ方。
正直言ってハテナマークが浮かぶことの多い作画ですけど妙な実感がこもっているというか
見ているこっちの気持ちがキャラと同化していきそうというか
アルの走りなんか変で変で仕方ないんですが(何で右腕前に出すのにそんな重心右にきてんの!?とか)
確かにあんな走り観たことある!と、強く印象に残るわけです。
昔からこういう緻密じゃないけど全体としてなんらかのタイムラインが透けて見える作画に天才感(?)を感じます。
(ごく普通のテレビアニメでも時々目撃されるんですよね、こういう作画は。
この場合1カット単位とか連続しないので何らかの偶然で生まれたと思われますが)
これがアニメスタイルで井上さん仰っていた稲野さんのテイスト(絵が本当に巧くないと出せないと言う)
なのだとするなら、磯光雄さんがそのスタイルを受け継いでいるというのは非常によく理解できます。
わかりやすいのが5話のゲームセンターのところと6話の「バーニー!」と叫びながら走るアルのあたり。
5話のアルが引き留められるところなんて体型とかも似てるから完全に磯さんの仕事だと思いましたが、流れで見ていくとやっぱり稲野さんなんでしょうね。
6話の走りは腕を1回振るごとに感情が入っていく素晴らしい作画、ここは文句なく天才的に上手いです。
身体が手にひっぱられてる感じが海が聞こえるや雲のように風のようにの磯走りとそっくりなんですよ。
源流を見た!という気になりました

これは勝手な推測ですが磯さんが完全に理詰めでタイミングをコントロールしていくタイプなら
稲野さんは真逆で頭に浮かんでいる映像をなるべくそのまま描いて、
一度描いたらもう修正はしてないような気がします。
描くのめちゃくちゃ速いんじゃないでしょうか?
精製度がいびつでカットごとに出来のばらつきはあるものの一貫して確信に満ちている。
熱狂的な稲野マニアがいるのがよくわかった気がします。
それにしても不思議な作画です。
運動曲線とか、詰めのセオリーとか殆ど無視なのに、何でこんなに巧く見えるんだろう
単に絵の巧さで繋いでいるのとも違う気がする。確かに絵はものすごく巧いけれども
選んでいる絵の種類が明らかに動きの中でなければ映えないものだから。
なんというか、、、実写の動きを素早く模写した時みたい。
精度は低くても動きの密度がやたら高い。
頭の中になにかとてつもなく原画密度の高い像が“見えていて”それを模写する、
といった作画スタイルなのかもしれません。

僕は自分で考えて描く場合は紙の上で構築してしまうタイプなので、
イメージの再現が終わったその時点から理屈オンリーでディティールを足したりすることすらよくあります。
これも生まれつき決定された脳のタイプ?チョーやだなぁ。



2006/08/13

パワーパフガールズZ第7話、原画に西田達三さん。
Bパートの初めのエフェクト、レイアウト、明らかに巧すぎ。何か大事なものを悟ってますよね。
化け猫最終話やガイキングで気になっていたエフェクトは全部この方のようです。
アニメスタイルで巧いといわれていたものの今までそれらが西田さんの作画だと確信を持てなかったんですが
(山下高明さんと同じ話数に入ってることが多いので勝手に山下さんの仕事なのかと思ってました)
今回単独でクレジットなので判明しました。
まだ若い方のようで個人的に超応援したいです。大好きな系統の作画です。
いやー凄い人が現れましたね(遅いって



2006/08/09

BSアニメ特選で、いろいろとやっていたので見ました。
梅津さんの新キャシャーン、4巻で安藤真裕さんが原画やってました。
いつもより余計に回ってる感じでした。着地するときの鶴みたいなポーズがらしいです。
それと、この頃アールっぽい煙描いていたんですね。今のスタイルもよく知らないんですけど。

劇場版のスラムダンク、浜州さんとか山下高明さんとか林明美さんとか福田道生さんとか
細田守さん(時かけみてすぐだったので、タイムリーw)とかがいましたね。
でも全体的にスケジュールのなさそうな感じは目立ってました。
1作目は最後に鍵を投げるところが山下高明さん?手に二段影が付いていますよね。
作画的には2作目が一番良かったかもしれません。
試合始まってすぐ(流川が1コマで走るところ)と、
休憩入ってまた試合再会してすぐ(リョータがしまった!と中無しで振り向くところ)
がバスケらしい動きしてました。担当不明。
変な形になった花道と敵選手ががボールを取り合ってるカットで
よくわからないエフェクトが入るんですが、これもいいですね。
3作目は冒頭の電車内のレイアウト。これも山下さん?かっこよかったです。全体通してここが一番良かったかな
4作目は走りが所々良いです。花道が壁にぶつかるところとか一郎君の顔の影がリアルになるところとか。
メンツの割には……イマイチだったかもしれません。バスケの作画を一試合全部作画とか厳しいのは間違いないですが。


あとは去年劇場で見なかったナルトの映画二作目。
途中とじ目でのけぞるシカマルから砕ける岩のカットと最終戦の前半が松本さんですね。他もやってるかもしれませんが。
ワンピースしかり松本さんは映画だと煙が二段構えになるのがいいですね
先に広がった第一波が有機的な動きで消滅し、第二波が広がる……と。あ、でも烈火でもそうだったっけ
この有機的な動きで消滅ってのが難しいんですよね、
拡散する煙の確かな輪郭は実写だと肉眼で抽出しづらいので、どーもイメージできません。

橋本晋治さんのカットは何かはしょられてたみたいで、残念ですけど、どーよ!ていってるサクラが可愛い。
最後にナルトとサスケがすれ違うイメージシーンは、お、西尾鉄也がイノセンスを意識した作画をしたのか!?
とちょっと興奮したんですけど本家の沖浦さんがバッチリ原画にいました。
こうやってみると本田さんより沖浦さんの方が線が少ないって事が分かりますね。
キャラデ準拠であくまで動きのイメージがリアル、と。

おそらくは見所であろうアクションとエフェクトの作画では前半のガアラのバトルが目を引きました。
敵がライトニングトルネードうんたらすんたらいうところですね。ナルトっぽくなさが素敵な感じの技名です。
電撃のカットからちょっと間が空いて、飛び散る磯風岩、吉成タイミング入った煙、
敵が変身するところのゆらっとした感じ、これはちょっと惚れ惚れするうまさです。
このレベルの作画を誰がしたのか分からないのは悔しいですね。


BSアニメ劇場でやっていた影絵のアニメ、キリクと魔女みたいな奴(松尾タカシが声やってる)
面白い手法ですね、シルエットのみなのに時々ドキッとするくらいいい絵作りになってました。
動きの作り方自体は切り絵を動かしているだけなのに、作画畑の人が作ってるっぽいオーソドックスなうまさがありました。
特に会話シーンで首伸ばしたりしながら1コマでカタカタ動かれるとどうしてもドンガバチョを思い出します。平面でもいけるんですね。
僕も真横から捉えたカットとかだと似たようなことやってますけど
単なる部分部分の回転と位置の移動で動きを突き詰めるってのも意外と開拓の余地があるかもしれません。楽だし。



2006/08/01

ゲド戦記、時をかける少女、連続で観てきました。

ゲドに関しては、正直あのゲドが、ジブリで作るゲドが、これで終わりか……という。
まー、ストーリーに関することを僕がいっても底が浅くて滑稽なだけなので早々作画語ります。
作画はすんごくよかったので(あんま他のサイトで触れてないし)細かくいきます。
ネタバレやな人は読まない方がいいかもしれません。

冒頭から竜の噛み合い、流血のエフェクトなど、これはジブリらしくない。
風の司の服のなびき、硬質なウロコ素晴らしかったです。
劇場で観てほしいシーンです。ワクワク感はここが頂点(残念ながら)。

次に城の中の、温度と空気を感じさせる美術、的確なレイアウト
ここら辺はジブリの専売特許のような当たり前に凄い立体作画。ずっと続くんで観てて疲れます。

狼に襲われるところ、背景動画の魅力を存分に見せつつ、
狼の動き一つ一つが違和感無しでまとまっていて勿論見所の一つ。
目を覚まして剣を探すアレンの芝居も良。

町のモブは今更言うまでもないですが、ウサギに追われるテルーからアレンの殺陣、
実は最前から一つ後ろで観ていたので何がどうなってるのかよくわからなかったですがw
凄い迫力でありました。これも劇場の音響ならでは?

それからも続々2コマで丁寧に動かす僕の好きな系統の作画続出。疲れる……。
CMでも使われてた奴隷アレンが一回目を閉じて顔を起こす芝居はやはり最高にカッコイイです。

そしてテナーのところを訪問するおばさん二人組、突然東京ゴッドですからね、
原画に大塚さんちゃんといたから安心しました。
ぶっちゃけこんなのジブリじゃねーwとおもいながら観てました
馬が蹴立てる土の処理、あの逆三角形の形は確か吉田建一さんのものだったはず?
大塚さんの土の処理を知らないことには何とも言えませんが。
ちなみに大塚パートの後の土塊は磯系です、これも巧い。

テルーが柱を抜いて手を縄から外すシーン。突出して巧いですね。
ジブリのラインを守りつつ、近年のリアル系。
コマ送りしないと誰がやったかわからないですが、近藤勝也さんの巧さに近いような。本田さんか西尾さんの可能性も。

クモの変化いろいろ、ドロドロ作画。
ブッ壊れる城もあいかわらずジブリ、わきの方を観ると整合性のない動きをしてるんじゃないかと
四方見渡すんですけどどこ観ても完璧ですね、ちくしょう。
そんで年老いて燃えはじめるクモ。え、ええー……ていうすごい顔。
作画オタク的にはやっぱりここなんでしょうが他にも見所多い映画だったと思いますよ、作画的には。

それとエンディングの走ってテナーに抱きつくテルーとかも異様に巧いですね。
これこそ近藤さんかなぁ?わからない

そして全体的に気になったのが“手”の作画。完全に宮崎駿のラインから外れます。
これはむしろ、松本憲生さんの手ですよね。
クモの病的に痩せた手、ゲドのゴツイ手、どれも完全に近年の肉感的なリアルな線の処理をしてあります。
テナーが玉ねぎを切るところの手の芝居など惚れ惚れしてしまいました。
それでも時折宮崎駿の手になるので、そこは往年のジブリスタッフが描いてると思われます。
ここまで来たら、いっそ水も松本憲生系で行ってみたらいかがでしょうか?
火とかのエフェクトをリアルにすればするほどちょっと根拠に欠けるハイライトが浮く気がします。
でもここまでくるときっとこだわりがあるんでしょうけども。
最近の2コマのジブリの丁寧作画が好きな人は見て損はないと思います。

観てるときに必死に良かったところを記憶していたんですが絶対いくつか忘れてると思うので思い出したら適当に足します。


時をかける少女は、前評判を聞きすぎた感があり、普通に面白かったという感想にとどまります。
自分がひねくれた青春を送ったせいと、単に頭が悪いせいが合わさって、
すごく高度なことをやっているだろう事はなんとなく分かるけど咀嚼しきれない部分がいっぱいありました。
コンテを読んだらわかるのかもしれません。細田さんの映画を観る度自分は馬鹿なんだなぁと思ってる気がします。

作画的にはストーリーに集中するのにものすごくちょうどいいレベルです。
というより、動きが突出することで話に貢献できる作りではない(全部のアニメが実はそうか?)ので、動きではあんまり語るところがありません。

終盤の時が止まっているときのレイアウトなど動きがどうのより画作りが気になる感じでした。
勿論美術の色味やビジュアルエフェクトのデザイン的なセンスも存分に発揮されていて目が泳ぐならぬ脳が泳ぐ感じ。OPとかカッコイイですー。

動きについて何も言わないのもさすがにあれなのであんまり他サイトで上げられていないところで
消化器が早川さんにぶつかったカットで右奥の方から手前に走ってくる女生徒の走りが良かったです。
でもやっぱり時かけは画、という感じ。

久しぶりに映画観ました。ナルトもひょっとすると観るかも。



2006/7/19

今作ってるものとは方向性が全く違ってほんともどかしいんだけど
吉成曜さんは中割の入れ方が超絶に巧いのだと気付いた。安藤さん竹内さん藤森さんあたりもみんなそうだ
動きのイメージが完全にあった上でそれを最小の設計図におとしこんでる。効率的で美しくすらある。
かんがえりゃずっとそういう動きをすげー、と思う心があった。きっとこれが日本アニメの効率化の系譜なんだ。
いつか絶対覚えてやりたい。ちくしょう、なんたる技術力!

少しずつだけど動きを系統立てて考えられるようにはなってきた。
金田作画も磯作画も変数の偏りが違うだけで別のものではない。
塵芥まで分解してから再構成すればイメージの加減をつまみを移動させるみたいに自由自在に出来るようになるかもしれない。
なんにしても、まずは基礎画力!

ちょこっとsister ED鈴木典光さんの作画。重度の中毒性が認められる、というのはおいておいて。
部屋の中のちゃかついたスキップは自分には決してイメージできないもので、随分感動しました。
振り向きのときの髪の毛もいいです。中無しで口が開くのは違和感あるけど何度も見てると
そこが一番凄いのかも知れないとも思えてきたりします。



2006/6/06

オーガス02を見ました。吉成曜さん、うつのみやさん、磯さん目当て。
吉成曜さんは、2話で旗がなびくところ(巧い)、3話のけが人を診る医者のあたり(イラストの時みたいにこってりした皺の入れ方)、とやたら地味だなぁと歯痒く思っていたら
6話で文字通り爆発、来た!もう無茶苦茶な巧さ。Vガンのスタイルからエヴァの間くらいの印象。この際巧い人はエフェクトばっか描いてりゃいry
5話はうつのみやさんです。一糸乱れぬ作画、装飾品など何もかもをコントロール下におこうとする意識を感じます。
磯さんの所は、ちょっと……ラフ原だけなのか修正だけなのかわからないですけどイマイチです。
フリクリの時とほぼ同じような波はよかったです。1カットのみだけど。
6話の雲海がミサイルでぼわっと舞い上がるところの方がよっぽど磯さんぽい作画です。ひょっとしてここもやってるかな?



2006/5/04

BSアニメ夜話でイノセンス。
西尾さんのヤクザをうちまくるシーンのエフェクトかけてないバージョンが流れていて
マズルフラッシュの実線での描き方は割と普通のアニメで見かけたけど、
エフェクトをかけることを前提にした硝煙の描き方がすごく参考になった。丸いのいっぱいかくんだ……
とらえどころのないものの動きの本質を実線で捉えるというのは作画の醍醐味だなァ
こういうのもっとみたい。磯さんのあの仕事とかあの仕事とか、原画で見たら面白いんだろうなぁ。

沖浦さんのシーンの原撮りみたいなのも見たけど、見る分には目が追いついてきたかもしれない。
劇場で見たときは何がなんだかわからなかったものなぁ



2006/4/23

実は風によるリアルな髪の毛のなびきって相当難しいのだろうか
資料映像を探そうとしても殆ど見つからない。あの人狼ですら風になびくときはアニメ的表現だった。
千年女優とか走るときときはリアルなんだけどね。風にランダムで吹かれているリアル作画ってほとんどない。
アニメだと良く風向きが→で髪が ノ だとすると風に吹かれて舞い上がり頂点に達したときに \(曲線だと思って下さい)に形を変えて元の位置に戻ってくる。吉成曜さんにいたっては髪が生き物のように波立ってしまう
これは波のイメージを誇張した表現なんだろうけど、普通ある一定の風が吹いている場合は風が弱ければ ノ が ノ の形のまま頂点に達していったりきたりし、風が強ければ\が\の形を(ある程度)崩さないまま行ったり来たりする。(髪の量が少ないと当然、周期がすごく早い)
だからアニメなどの ノ が \ になるという表現だと簡単にいえば逆方向からも風が吹いていることになってしまう。
これはこれでアニメならではの表現の一つとして十分存在価値があると思う、女の子なんかの髪がゆったり風にうねってる様子(それもリピートで)は特殊な非現実感をだしているし。)
で、実際に ノ → ノ で作画してみるとわかるけどこれではあんまり動いているように見えない。
1コマとかものすごい滑らかに動かさないと駄目なのかな?
勿論現実でも波的な動きもあるんだけど、(ノの曲がり具合と角度が波的なイメージで推移するというか、わかりにくい!絵で描けばわかりやすいのに!)短髪や単に前髪の場合は旗のように滑らかな波の運動曲線はみられない。
リアルにするつもりなら風量髪質、量を考慮せず髪に波のイメージを適用しすぎるのは間違いかと思う。 リアル系の作画で3コマくらいでランダムに形を変えてる時があるけどあれも正直「逃げ」のような気がする。 どんなに風が強いときでもああいうなびきかたはしないんじゃないかな?
大平さんとかがやってそうな気もするんだけど、八犬伝新、もみてないしな。多分どこかにはあるハズなんだけど。

とりあえず実写を見ながらがんばってみる。
魅力的な題材ではあるけど髪を物体ではなく線の集合だと見た場合、相当な演算力が要求される題材だよなぁ。


たまには見た話もしなくてはならない。
えっと、女性高生がでてくるアニメの梅津さんのedで1つすごくカッコイイカットがありました。サビですかっと動かす感じはいいですね。

クレヨンしんちゃんの映画がキッズでやっていて、初期2作を見たので、これで全部見たことになりますね。
2作目、ぶりぶり王国の秘宝では、格闘アクションが見応えがあって最高でした。一番いい格闘がみれるのはクレしんのような気がしますw
ただ、担当パートがイマイチよく解らないんですよね、珍しく。敵構成員との格闘と、ハブとの格闘が見せ場だと思いますが、
安藤真裕さんは多分……ハブとの戦闘の後半、攻撃した手や足がブルブル震え出すところからだと思います。
「殺す殺すって気安くいわないでよ!」のあたりの動作の繋ぎの巧さには感動しました。
何か言葉に言い表せない魅力がありますね。今度安藤さんのタイミングの使い方も真似してみよう。。。

あとこの前の30分藤森回の忍たまを見逃した。悲しい。。



2006/4/14

頭に浮かんでいる動き、イメージの限界と実際に紙に描ける動き、作画の限界とがある。

浮かぶイメージを鍛えるにはとにかくいろいろな動きを観るしかなさそうだ。
フラッシュバックする映像は強烈に刻みつけられた物でないとだめらしく少なくとも今は既存の作画しか浮かばないと言っていい。
特定の動作が完全に浮かぶケースと映像から与えられる印象(主にタイミング)が浮かぶケースの2パターンがある。
前者は現実で観察した動作が浮かぶ場合が多い。この手のイメージにしたがって作画するとほぼ元イメージの完全なパクリになってしまう。実写からぱくるならオッケーという考え方もあるのかもしれないけれどロトスコープで代替できてしまうから貧困なことに代わりはないよなぁ。ちなみにこういう浮かび方はほとんどない

後者の方は作画に時間がかかる代わりに動作に関してはオリジナルになる場合が多い(印象はパクリでも)。
浮かぶのは磯さんとかうつのみやさんの作画が極端に多い。
大平さんとかはタイミングでなくて“ぐにゃっとした”非常に曖昧なイメージで残る。ここまで曖昧だとイメージ元を参照しない限り作画不可。どういう絵を並べるとその印象が再現できるのかをたくさんの試行で覚えられればそのうち作画できるようになる、かな。
ここで浮かぶイメージが自分が出来る作画と密接に結びついている気がする。すでに決定した脳のタイプだとするとちょっと悲しい。

どうも脳が覚えやすい動きというのがあるらしい。
現実で観察した動きはあまり浮かばない。しかし、演劇やダンスなどの作られた動きは、時たま印象に残る。
生理的に人間が予想する動きを微妙に裏切るというのが快感に重要な要素っぽいのはなんとなくわかる。
動き終わったと思わせておいて実はもう一段階動きがあるとか、本来もう一枚はいるところで中無しとか、その逆とか、予想を裏切る動きは脳に深く残る。
そういう動きはコマ送りしてみて違和感を感じる。これでちゃんと動くの?という順番で絵が入る。でも再生すると最高!みたいな。不思議だ。
新たな動きを生み出せる人は実際の動きから受ける印象がすでに違うのかもしれない

作画の限界に関しては上限より下限が大事。7割程度の力をコンスタントに出せるようになるのが目標。



2006/3/24

怪~ayakashi~の化け猫シリーズが終わりました。
いろんな意味で今後に繋がりそうなおもしろーい表現がいろいろとみれました。
1,2話目はテクスチャに目がいきましたが最終話では作画も凄まじいものがあり、これをテレビでやるか~、と。
なんか野心的なテレビシリーズ増えてる?うーん、アニメっていい。

作画的にはやっぱり化け猫のエフェクトなんですが、
ラストの決着のあたりもいいけど一番気になるのはBパート最初の方の気持ちいいフォルムの流動。
既視感あります。最近の流行ですかね、ミーハーな僕は勿論好きです。



2006/3/23

灰羽連盟の松本作画を観たらすごく幸せな気持ちになった。
美しすぎる。こんな作画をしたい。



2006/03/09

近頃キッズで初期の忍たまの再放送があったので録画して観てるのですが、
神様のお告げ の段 の作画がレイアウト、動き、飛び抜けて巧い。
久しぶりにこういうニュートラルな、基礎が出来ているゆえの隙のない巧さというものに魅せられました。
やっぱり亜細亜堂って感じの中抜きの妙があって、
それがまた自分に全くないものなのでため息ついてしまいました。日本昔話も同じですね。
最後に忍たま音頭みたいなPV?がついている(これまた作画がいい)のに
スタッフロールがないので誰なのか判別できないのですが、
もしや藤森雅也さんの回なのではないでしょうか?
今後もこのクオリティの回があるのなら絶対見逃せないです。
OPとアイキャッチもいい。

検索してみたらやっぱり藤森さんの回のようです。すごい人ですね。



2006/02/26

ガイキングに東映の精鋭に加え、すしお、今石、中村と超豪華布陣。
全編力が漲っていて素晴らしい出来でした。

橋本敬史さんの作画も結構分かってきたかも!
中村豊さんのメカとか怪物のあの格好良さはなんなのかなー。
目の透過光とかもいいんだけど顔の向きとかで独特の不気味さが出てますよね。このメンバーでも、目立つ。
この前のエウレカの時もそうだったけど、割と自由奔放にメカを動かせる方なんですよね。こういう作品向いてる気がしました。
アバンの煙が明らかに磯風、ディティールより動き方がそっくり。さりげないけどいいなぁ~っておもいました。



2006/02/25その2

最近考えたことをだらだら書きます。長いです。

速い動きは難しいと思う。これは、かなり昔から抱いている絶望感で、自分がアニメーターを神格化している理由の一つ。
原画A、原画Bがあった場合、その2つの絵を結ぶ中割Aが即座に浮かぶ場合、
その動きのイメージ(軌道)が錯覚にしろ脳内で見えているということになる。
これなら遅かれ早かれ、その物質をあらわす画力さえつけば描けるようになると思われる。(もちろんイメージの組み合わせ方についてはまた別の話で
問題はAB間の絵が浮かばない場合、何がどうなってAがBの絵に繋がってるのかわからない場合。
主にエフェクト(ここまでくると人間もエフェクトも同じようなもんなんだけど)においては
動きを描ききるのに必要とされる原画をアニメーターの方がわざと省略している場合がある。
そうでなくても必要な原画が秒24枚を上回ってしまうこともあるだろうし。
電気とか衝撃波(早め)とかマズルフラッシュもこの例かな
こういう時自分は完全にお手上げになってしまう。勿論等速で見ると動いているのは分かる。
なのにコマ送りするとわからないおという状況が現出する。
等速でちゃんと見えるんだから脳のどこかでは錯覚が見せられ、
間の絵を補完しているのだろうけどコマ送りになると錯覚を見せる機構が弱まって軌道が浮かばないのだろうか。
こういうケースは実写もさることながら金田さんの作画に一番多い。「い、今どこからともなく現れたビームが消えよったでー!!」という感じ
当時金田作画が多量に模倣されたときはある一連のイメージがあり、その中からこの絵、この絵という風に選んでいくやり方でなく、こういう絵の次にこういう絵が来るという風に金田パターンをただ暗記してやっている人が多かったように思う。
自分も金田動きを意識するときは現状そういうやり方でしかやれない。(山下さんの動きは理解しやすいけど。
普段方程式と答から公式を導き出すようなやりかたをしているため(しかも次数が多いともう駄目)
金田作画みたいのを見ると、どうも代入も無しにいきなり多元連立方程式を解いてるような印象を受けるというか、天才だなぁって思ってしまう

まぁ、実際には雨とか雪とかの大量の物質が舞っている様をあらわす場合
何も考えずに適当に点を打った絵を数枚リピートさせればそれっぽく見える、というケースもある……
確かにそれっぽくは見えるんだけど、それってどうよと思ってしまう。
磯さんの破片がちらちらするような作画においては例えそれが写実とは違う捏造でも分布の偏り方にこの上ないリアリティがつきまとうし、やっぱりそのイメージは見てるものに確かに伝わるはず。
イメージが明確だと描くのも早くなると思うし、自信を持って描ける。例えそんなことしなくても表現できる、ということになってもやっぱりそういう描き方をしたい。

この絶望感を解消するにはやはりハイスピードカメラしかないのかもしれない。
ハイスピードカメラで金田作画を撮れれば……(バカ



2006/02/25

電脳コイル、楽しみにしときましょう。

ノエイン19話、会議室の所で御先祖最終話の犬丸の走りを思い出しました。
立体的な布の動かし方が本当に巧いなぁと思います。タイミングも絶品。

さて、12話の例の空中戦がりょーちもさんの原画だったという話を聞き、
勘違いはまぁいつもの事なんでいいんですが、りょーちもさんの担当パート当てが出来るようになりたいと思いました。
今回、アトリが蹴られているところがタイミングといい、ポーズの決め方といい、少し空中戦のカットを彷彿とさせます。後いつかのマティスのゆったり加減を。
あの丸っこいフォルムは絶対に岸田さんではないのでもしかしたら、と睨んでます。
まぁ、かなりはずれてそうな気もしますけど……


2006/02/07

ここらで初心に返るか(バカ)とFF、攻殻、雲風、ジョジョと磯さんの作画を模写しまくっていたら
磯さんのHPが更新されとる……比較的大きな仕事……比較的大きな……
うわー、もうこれちょっと興奮がやまない



2005/01/29

今週の日本昔話は亜細亜堂作画で犬の動作と雪の破片ぽい描き方がやたら気持ちいい。

よみがえる空、第三話は竹内哲也さんの作監、原画(作監は連名でしたが
相当直してますよねこれは。レイアウトが実に堅実です。皺、影の入れ方も完全に竹内節。
動き的には女の子が下敷きになっているところで隊員が駆けつけるときの「走ってますよー」な感じがよかった。
作監・総作監と仕事が多岐に渡っているため得意の延々慣性運動みたいな動きはないんですけどこれはこれでさっぱりとしていて好きです。
エフェクトが弱いのがちょっと残念かな。

あとノエイン15話、突然ハルカの腕が丸く太くなって笑ってしまいました。可愛いです。
でも一番気になったのは冒頭ですね。媚びと子供っぽさが良いバランスで混じってます。
これくらいがちょうどいいのかな。女の子の芝居はどうも、わざとらしさがつきまとうので難しいですね。
実写でやったら大笑いな芝居でもアニメだと何か麻痺するというか、うーん……。


2005/01/17

キッズステーションでルパンのテレビスペシャルをやっていたのでいろいろ見てみた。
燃えよ斬鉄剣の冒頭、高谷浩利さんの変形作画に大変感激しました。詰め方が極端で気持ちよすぎ。
なかむらたかしさんのテイストも感じます。

ワルサーP38も全体的にテンションが高いです。でもやっぱり上妻さんの所。
次元のアクションと影無しエフェクトのカッコイイのなんので。特に銃に弾込めるところの手前ブレの芝居、憎らしいほど。

今石さんも入ってるんですが、今石さんなら炎の記憶のイルカ型メカに追われるルパン一行の作画が素晴らしいです。
正統派のタイミングや絵の巧さが光る僕の好きな系統の仕事です。やっぱりとんでもなくめだちますねー。



2005/12/29

ノエイン12話です。僕らのヒーロー松本憲生です。なんか、さらに進化しちゃってるっぽいです。
同じアクションでもナルトとは違う結構泥臭い殴り合いがよかった。
こんなに様々なタイミングで作画されたアクションはあんまり見かけないです。一種の実験?統一感は正直ない。

それとうつのみやさんです。フルパワーでてます。息を乱すフクロウがホントに苦しそう。シリーズ中でまた見たい。
ちょっと死ぬほど見てきます。一回見ちゃうとコマ送りのためにかなりの時間拘束される。そんなパワーのある回でした。



2005/12/24

ノエイン11話豪華原画陣です。途中背景動画から原画多めのガチャガチャした芝居がでてきましたが、誰かな?
鈴木さんか……柳沼さんに関しても勉強不足だしなぁ。
岸田さんのキャラをどう動かせばいいのかよくわかってる方だろうなと。やっぱこう動かさないと!
12話は松本、大久保作監でコンテは古橋一浩かぁ。期待するなという方が無理・

日本昔話に近藤善文さんが!冒頭の神様が手紙を書いているところで筆運びが
ちゃんと演技付けしてあってアニメーターの矜持を感じる。最後の方でささっと動く感じが。



2005/12/23

自分はコンピューターを使える世代で本当にラッキーだと思う。
これだけ作画のシミュレーションを手軽に行えるツールがあれば、気力次第で無限の試行が出来るわけで
才能を訓練が凌駕するというケースも、あるいは生まれてくるかも?個人的には、ありえる、と推測はたつわけですが。
そうであってほしいけど、実際にそうであっちゃったりすると
何で自分はこんなに怠けていたんだーと焦ることうけあい。怠けすぎで凡例にもならん。

とにかくペラペラ漫画を作るしかなかった時代を考えるとeasytoonはトレス台なくてもオニオンスキンで完璧、
コマでのタイミングまでつけられるし、スキャナとソフトがあれば実際の原動画彩色作業だって容易に出来る。ていうか自主制作できる
まさに夢のよう。
というようなことをPAワークスのコラムを見て思った。やれるんだから、今はシミュレーションを無限に行おう。
間違いなく環境には恵まれてる。いや、恵まれすぎ。ともすれば不幸を装いたくなるダメ人間なのだけど感謝しながらやるしかない。